2010年03月07日

ライブビューイングと実演

一昨日観に行ったMETライブビューイング『シモン・ボッカネグラ』では、キャストはタイトルロールとフィエスコ、マリア=アメリア、ガブリエーレの4人しかクレジットされず、パオロのキャスティングはこちらのブログで教えていただきました。
http://blog.goo.ne.jp/madokakip/
ブログ主のmadokakipさんはニューヨーク在住で熱烈なMETファン。読み応えたっぷりのレビューを多数(!)発表されていて、あふれるオペラ愛・MET愛に圧倒されます。
madokakipさんはMETライブビューイングで流れたのと同じ公演をごらんになっているのですが、そのレビュー(ここをクリック)を読んで、実際に劇場で生の舞台に触れるのと、録音・録画を鑑賞することとの違いを思い知らされました。
madokakipさんのレビューを読むにつけ、ピエチョンカのマリア=アメリアの素晴らしさは、映画館でよりも生で聴いた方が私にはもっとよく理解できたのでは、と思われてなりません。会場の音響があまり良くなかった(時々音割れしていたような)というのもありますが、彼女の強靱な声・スケールの大きな歌唱は、録音には十全に入りきらなかったのかもしれない、と感じたのです。録音にきれいに入りやすい声とそうでない声というのは確かにあります。演技も然り。

私自身、この数年はすっかり舞台鑑賞から遠ざかっていましたし、オペラの生舞台に触れたのももう何年前か思い出せない(確か6年前?)というありさまですが、あの頃は実演を観劇するのとLDやDVDを鑑賞するのとは別物、という感覚がはっきりとありました。クラシックから離れ、舞台から離れている間に、その認識をいつの間にか忘れてしまっていたようで……うーむ。もう少し元気になって、お金も貯めて、早いとこオペラに足を運びたいです。

昨日の感想メモで書き忘れましたが、ジャンカルロ・デル・モナコの演出は、クラシカルな演出では最高の部類だったと思います。時代物にふさわしい重厚さと気品、ドラマを過不足なく表現するに足る繊細さを兼ね揃えた演出でした。舞台美術も非常に美しかった。私の隣りの席のご婦人方は、舞台美術の素晴らしさをしきりに讃えていました。ライブビューイング案内役のルネ・フレミングさんが訴えていたとおり、こういう舞台を維持するには確かにお金がかかって当然。頑張れMET、と遠い日本から心の中でエールを送るぶらっくたいがあです。
書き忘れたといえば、ドミンゴの名演で特に素晴らしいと感じたポイントのひとつは、シモン・ボッカネグラが政治家であるということがはっきり伝わってきたこと。第1幕第1場の(娘と分かる前の)アメリア・グリマルディとのやりとりはもともと「政治的駆け引き」なのだ、ということをここまではっきり感じたことは今までなかったかも。その政治的な会話から、思いがけず生き別れの親子の再会へと展開してゆくところがまたカタルシスでした。
ドミンゴさんはこの舞台の後、体調を崩されたとのこと。大切なお身体です。どうか一日も早く回復されますように。
posted by ぶらっくたいがあ(元ユルシュール) at 21:53| Comment(2) | TrackBack(0) | METライブビューイング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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