2010年01月31日

Hunter College Recital-- Victoria de los Angeles & Alicia de Larrocha

ロス・アンヘレス スペイン歌曲リサイタル(ハンター・カレッジ・リサイタル)
VICTORIA DE LOS ANGELES HUNTER COLLEGE RECITAL

2つの古典歌曲 (2 Classical Songs)
1,信じきった紅ヒワ〜サルスエラ≪アシスとガラテア≫より
(Confiado Jilguerillo - “Acis y Galatea”)
2,エル・トリピリ (El Tripili)
≪昔風のスペイン歌曲集≫より(グラナドス/ペリケー詩)
(9 Tonadillas 〔Granados/Periquet〕)
3,ゴヤの美女 (La Maja de Goya)
4,愛と憎しみ (Amor y odio)
5,内気なだて男 (El Majo Timido)
6,美女のまなざし (El Mirar de la Maja)
7,町をぶらつく (Callejeo)
8,トラ・ラ・ラとギターのつまびき (El Tra la la y el punteado)
9,ひかえめな下町娘たち (Las Curretacas modestas)
10,忘れられただて男 (El Majo Olvidado)
11,分別のあるだて男 (El Majo discreto)
≪愛の歌≫より(スペイン古詩/グラナドス編)
(6 Canciones Amatorias〔Traditional/ Granados〕)
12,お泣き、心よ (Llorad, corazon, que teneis razon)
13,松林へ行った娘たち (Iban al Pinar)
14,泣くな、ひとみよ (No lloreis, ojuelos)
15,サン・ファン祭りの朝 (Mananica era)
16,うぶな娘の私ゆえ (Mira que soy nina amor dejame!)
17,わが佳き人 (Gracia mia)
≪7つのスペイン歌曲≫(民謡/ファリャ編)
(7 Canciones Populares Espanolas)〔Traditional/Falla〕)
18,ムーア人の織物 (El Pano moruno)
19,ムルシア地方のセギディーリャ (Seguidilla Murciana)
20,アストゥリアス地方の歌 (Asturiana)
21,ホタ (Jota)
22,子守歌 (Nana)
23,歌 (Cancion)
24,ポロ (Polo)
25,サパテアート(毒グモ)〜サルスエラ≪ラ・テンプラニーカ≫より
(Zapateado - “La Tempranica” 〔Gimenes/Romea〕)
ヴィクトリア・デ・ロス・アンヘレス(ソプラノ)
(Victoria de los Angeles 〔Soprano〕)
アリシア・デ・ラローチャ(ピアノ)
(Alicia de Larrocha 〔Piano〕)
(1971.11 Live)

(日本語表記はCD〔EMIミュージック・ジャパン:TOCE-14296〕に従いました)

1971年11月13日と22日に、ニューヨークはハンター・カレッジ講堂にて行われたリサイタルのライヴ録音。
同い年で同郷(バルセロナ)、10代の頃から親交を結び、共にリサイタルも開いたビクトリア・デ・ロス・アンヘレスとアリシア・デ・ラローチャだが、レコード会社の契約上の問題(ビクトリアはHMV(EMI)、ラローチャはイスパボックス→Deccaとそれぞれ専属契約を結んでいた)のため、ふたりが共演する録音として残っているのはこのライヴのみである(※)。何とも、惜しい。
ビクトリアは第1曲目の‘Confiado Jilguerllo’からさっそく潤いに満ちた歌声を聴かせてくれる。
グラナドスのトナディーリャスやファリャの“七つのスペイン民謡”など、いわば彼女の十八番が並んだ曲目だが、ビクトリアはいつものように――すなわち、決してマンネリに陥ることなく、一曲一曲を慈しむように――歌っている。特に“七つのスペイン民謡”は圧巻。個人的には“Canciones Amatorias”に特に耳を奪われた。ラローチャのサポートのもと、心なしかスタジオ録音よりも伸び伸びと、それこそ鳥が自由に舞うように歌っている。
ビクトリアの歌を聴いていつも思うことだが、なぜあれらの歌をあのように、息をするように自然に、自在に歌うことができるのだろう。特に彼女がスペイン歌曲を歌う時、クラシック歌曲の堅苦しさは微塵も感じられず、異国の人間である私の隣りにもすっと寄り添ってくれる、こよなく美しい歌として聴こえてくる。それは、お国柄のひとことでは片付けられないものだ。
ラローチャのピアノは、スペイン歌曲の根底に舞踊があるということをはっきり感じさせてくれる。
リズムはもちろん、音色が優しく軽やかで、踊るようなのだ。ビクトリアと共に多くのスペイン歌曲の録音を残したジェラルド・ムーアのややどっしりとした伴奏とは対照的。私はどちらも大好きである。
同郷で同年代というだけでなく、何ら奇をてらうことなく、しかし他には得難い個性を持った音色で、素直に美しくうたってゆく点でも、ふたりの音楽性はぴったり一致している。だからこそ、他に録
音が残されていないのが余計に惜しい。貴重な、貴重な録音である。
最後に苦言。昨年EMIミュージック・ジャパンから発売されたこのCDには、簡単な解説を載せたライナーノート(わずか8ページ!)が付されているのみで、歌詞の対訳はない。名演が手軽な値段(1500円)で手に入るようになったのはよいが、かつてのEMIミュージック・ジャパンなら、この程度の値段のCDにもきちんと対訳を付けたのではなかろうか。日本人にとっては、ドイツ・リートやフランス歌曲に比べてもなじみの薄いスペイン歌曲。対訳くらいはぜひ付けてほしかった。
(※)ふたりが16歳の時にオデオン社のためにテスト録音をしたことがあるという情報もある(CD“Victoria de los Angeles Songs of Spain”(EMIClassics)ライナーノート)が未確認。
posted by ぶらっくたいがあ(元ユルシュール) at 11:17| Comment(0) | TrackBack(0) | ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス 録音 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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